外国人の産休について
2023年03月13日
こんにちは、G cube partnersの石木です。
本日は、特定技能外国人の申請手続を行う中で実際に相談があった産休の問題について書いてみようと思います。
日本で働く外国人については当然労働基準法が適用されますので、使用者も外国人も労働基準法を遵守しなければなりません。外国人側からすれば労働基準法によって自己の権利が守られると考えて良いのですが、入管への手続きについては入管法が規定しておりますので、そちらもしっかりと理解した上で進めなければなりません。
まず、産休の制度についてですが、産休とは、働く女性が出産前後に取得できる休暇です。労働基準法第65条で定められており、「産前産後休業」が正式名称です。産前休業は出産予定日の6週間前から取得可能です。双子など多胎妊娠の場合は身体への負担を考慮して14週間前から休暇を取得できます。産前休業は強制的な休暇ではなく、本人が会社に申請することで休暇がとれます。本人が希望すれば、出産直前まで働いても法律的に問題はありません。一方、産後休業は出産日の翌日から8週間です。出産後の母体の回復のために産後休業の期間は必ず休暇をとらなければなりません。ただし、産後6週間を過ぎて、本人が復職を希望し、医師も働いて問題がないと判断した場合には、職場復帰も可能です。
産休の制度は以上のような制度ですが、会社は産休取得を理由に女性を解雇すると法律違反になり、懲役や罰金の対象になってしまいます。
産休の制度は女性の身体と職場復帰を確保する制度ですが、入管法の規定では更新申請を行う場合には申請人本人は日本国内にいることが必要になります。そうしますと、外国人女性が妊娠して母国に帰国する場合には更新申請を行ってから帰国するか、更新時期とは被らないように帰国するしかないことになります。外国人も日本で産休を取得すればよいとも思えますが、外国人が助けてくれる親族のいない異国で産休を取得し育児を行うのは困難な場合が多いと思います。今回の相談は胎児が予想より早く生まれることになったために更新時期に帰国を余儀なくされた外国人を雇用する会社様からの相談でした。更新ができなければ外国人の在留資格は無効になってしまうため、引き続き日本で就労を希望するならば、再度在留資格認定証明書交付申請を行うしかないようです。
今回の相談で会社様が気にしておられたのは、産休を理由に解雇したことにならないかという点でした。今回のケースでは罰則が適用されるような解雇には当たらいですが、このような心配をさせてしまうのは、制度間の隙間の問題であると思います。このような場合には入管法の運用を柔軟に行い、働きやすい国を目指すべきだと思いました。
本日はここまでとします。
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