展開力と徹底力
2023年06月19日
<第52回>
G cube partners の青野です。
今回は「展開力と徹底力」について書いてみたいと思います。
先日、日経BPから出版させている「キーエンス解剖 最強企業のメカニズム」を読みました。
かなり売れている本のようですから皆さんも読まれた方がいるかもしれません。
キーエンスは大阪市に本社を置く企業で、自動制御機器(PLCと周辺機器)、計測機器、情報機器、光学顕微鏡・電子顕微鏡などの開発および製造販売を行う企業で、東証プライムに上場しています。
20年前くらいに前職で実施した企業研修で大手企業向けのB2B営業のモデル企業の題材として紹介したこともあります。
その当時からスゴい会社だと思っていましたが、今回、この本を読んで更に進化というか更にレベルを積み上げ、高めているのが分かりました。
聞いてみれば原理原則というか。当たり前のことと言われてしまうことかもしれませんが、本書に書かれている同社のスゴさをいくつかピックアップしたいと思います。
・トップの考え方、思想が素晴らしい。
これは創業者を始め、歴代トップが「カリスマ」化していなくて誰もがやるべきことをやれば成果に繋がる仕組みの経営を追求していることと、財界活動や業界団体などの活動にうつつを抜かす?ことなく愚直に経営に取り組んでいる
・営業活動の仕組みやルールが人の気持ち、感情をベースにしており、納得性が高い
飛び込み営業で何度も食い下がり関係性を築いたり、接待などで心情的な繋がりを強化して受注に繋げるということを行わず、提案営業、商品、対応スピード、小回りといった付加価値、利便性で顧客を繋ぎ留め、囲えていること
・一つ一つの取り組みを愚直に継続的に徹底的に実施し続けること
毎日のロープレ実施や、営業後にすぐ記入する営業報告書、それを上司がほぼリアルでというかタイムリーに確認し、助言、サポートをしていること、1日のアポ件数が10件に満たないと営業に出させないなど効率重視の取り組みを徹底していること。
・成功事例、成功ルールを共有し、水平展開していること
他者、他部署の営業成功事例がすべての人に共有され、誰でもがすぐに情報を取り入れることが出来る。一人で試行錯誤するのではなくそれぞれが試行錯誤して、データを分析し、成功した形や条件などがすぐにマネができる、自分の行動に取り入れることが出来ること。
などなど。
詳しくは本書を是非、一読していただければと思いますが、読み進めるほどに「うーん、スゴイ」という思いがどんどん強くなり、まさに最強企業だと思いました。
企業力の強弱差が出る大きな要因の一つに「施策の展開力と徹底力」があると思います。
大企業、中堅・中小企業と多くの会社にお邪魔させていただき、それぞれの会社がいろんな施策を検討、展開している様を見ていますが、キーエンスほど徹底できている会社はほとんど見かけません。
同じような仕組みを持った会社はありましたが「仏を作って魂入れず」ではないですが、取り組みが中途半端だったり、チェック機能、是正機能が弱かったり、実施している担当者が施策の意味合い、効果を十分に把握せず、やらされ感満載で適当にやってお茶を濁す・・・、みたいなのをたくさん見ました。
他社がやっているからとか、ちょこっと小耳にはさんだ施策を掘り下げずに表面的な形を整えただけなどでやった気になってる会社も多くありますよね。
そういう会社は施策やルール、報告書、提出物ばかりが多くなって、本来やるべきことに十分な時間が割けないなどという問題も起こっています。
効果的で実施が必要だと思われる施策だとすれば、確実に必要十分な実施状況になるようにトップからミドルマネジメント、現場担当者に至るまでが十分に目的と効果を理解し、徹底的に実施する、継続させ続けることが大切だと思います。
魂のこもった施策と魂を込めた実行が企業力に大きな差をつけるのだと思います。
既存の組織や企業風土、文化などを急に変えることは難しいでしょうが、この本を読むことで、自社をより強い会社にしていくために何を変え、何を止め、何を意地でも続けていくのかのきっかけが掴めるのではないかと思います。
日経BPの回し者ではありせんが、未読に方は一読されてみてください。
私も改めて「良い本を読んだな」で終わることのないように自社と関わりをいただいている顧問先の企業力強化に活かしていきたいと思います。
今回はここまで。
〜自分のために、相手の立場に立って、最後の一念で良い仕事をし、大きな成果をあげよう!〜
〜全ては自分が起点です。自責の考え方で、感謝の気持ちを忘れずみんなで豊かになろう!〜
株式会社G cube partners
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