技能実習生が失踪する原因と対策<給与編>
2020年01月20日
株式会社ジーキューブパートナーズのファンです。
ここ数年、日本国内で失踪する技能実習生がとても増え、社会問題となっております。
そんな中、2019年12月24日に出入国在留管理庁より技能実習生の失踪数を減少させるための施策が打ち出されました。
http://www.moj.go.jp/content/001311268.pdf
こちらの資料によれば、今後、実習生が失踪した場合、①人材送出機関・②監理団体・③実習実施者(受入企業)で責任がある場合、技能実習生の新規受入れを停止させられるようになりました。
実習生が失踪しないように注意が必要です。
では、技能実習生は何故失踪するのでしょうか?
私がこれまで実習生が失踪した際にフォローを行ってきた経験から分かるのは、失踪するにはいくつかの原因があります。
その中でも今回は給料に関する5つの原因を紹介します。
①給与明細に不明点がある (給与明細書をもらえない、働いた時間が分からない)
技能実習生が日本に来る最大の目的は、お金を稼ぐためです。
そのため、1ヶ月間働いた際の、労働時間、残業時間、手当、控除金額などの詳細を知りたいという場合が多いです。
しかし、
・給与明細に書いてある内容や、実際働いた時間が違う
・書いてある内容がよくわからない、説明もしてくれない
という問題点が散見されます。
そのため、給与明細書に記載内容を一つ一つ説明する必要があります。
②総支給から様々な控除や天引があり、何故手取りが減っている理由が不明。
日本では総支給から税金、保険料、年金、家賃などが控除や天引がされます。
このことは日本では当たり前のことなのですが、実習生の本国ではそのようでない場合があります。
しかし、給料明細書が読める実習生は殆どおらず、総支給額からいろいろなお金が引かれている理由がわからないため、きちんと説明をする必要があります。
また、このことを組合に伝えるよう相談をしても、すぐに対応をしてくれない場合があります。
日本の給料の仕組みを細かく伝えることは忘れないようにしましょう。
③契約書の通りに給料を支払われない
仕事には繁忙期と閑散期があり、忙しい時もあれば暇な時もあると思います。
閑散期は労働時間も短くなり、給料も下がる傾向があります。
実習生たち日本に来る前に求人票や労働契約書を読んでもらい、労働時間、労働条件、総支給・手取りの金額に同意をします。
そのため、閑散期だから給料が下がるという可能性がある場合は、必ずその旨を事前に伝えて納得してもらう必要があります。
④最低賃金の労働条件
実習生は日本に来る前に、送り出し機関に50万円(高い送り出し機関であれば100万円)くらいを払わなければなりません。
そしてその費用の捻出は大抵の場合、親戚や銀行に借金をしているため、最低賃金だけでは実習生が困る場合があります。
そのため、給料に関して困ることが無いように実習生の能力によって給料を支払いましょう。
また、昇給制度も設けて、能力に応じて賃金を上げることも必要となるでしょう。
⑤残業代が支払われない
日本では、出勤する前に、業務の準備や掃除などがあると思います 。
その時、その準備の10〜20分だけでもタイムカードを切って賃金を支払いましょう。
ほんの200〜300円の違いやその積み重ねが、実習生にとっては非常に大きな金額です。
どの業務が任意出勤で、どの業務に賃金が発生するのか明確にしておきましょう。
いつからいつまで残業代を出る、残業の計算の仕方に関しても納得してもらうように説明をしましょう。
借金をして日本に来る実習生が困ることがないように、そして失踪されないように安心で働ける環境を作りましょう。
改善対策
1.入社前に雇用契約書(総支給額、手取り、給料の計算の仕方、保険料、残業代など)について詳しく説明しましょう。
2.昇給制度を設け、ずっと最低賃金働かせることなく、能力に応じて一般社員と同じ給料を支払いましょう。
3.国籍関係なく、能力がある実習生には日本人と同じレベルの仕事をさせましょう。
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