ベトナム送り出し機関において人材募集が困難なことについて
2025年06月02日
近年、ベトナムにおける技能実習生の募集は年々難しくなっています。背景には円安の影響に加えて、韓国・ドイツ・台湾など他国への選択肢が増えていることがあります。その結果、日本を目指す労働者の数が減少傾向にあります。以下に、現状の課題と傾向を共有いたします。
1. 建設業・農業・介護分野の応募者が少ない
給料の条件が良くても、建設業・農業・介護分野への応募者は非常に限られています。主な理由は以下のとおりです。
- これらの仕事は「きつい・汚い・危険」といったイメージが強く、志望者が少ない傾向にあります。
- 天候により勤務日数が左右されることがあり、安定した収入が得にくいです。
- 特に建設業では、残業が少なく、基本給以外に収入がない会社が多いため、応募者にとって魅力が低いです。
2. 食品加工・水産加工・工場系の仕事は、給与が低いと応募が集まりにくい
かつては人気のあったこれらの職種も、現在は給与水準が採用の鍵となっています。
- 以前(2013〜2020年頃)は、基本給15〜16万円でも十分に募集が可能でした。
- 現在では、基本給17〜18万円を提示しないと、ほとんど応募が集まりません。
- 労働者が希望するのは、残業なしで手取り12〜13万円、残業込みで14〜15万円程度です。
3. ベトナムからインドネシアへのシフト
ベトナムでの人材確保が難しくなったことにより、インドネシアに送り出し拠点を設ける動きが活発になっています。
- インドネシアでは、建設・農業・介護などの職種にも多くの応募者がいます。
- 日本に行く機会があれば、職種を問わず積極的に応募する傾向があります。
(現在のインドネシアの状況は、2010年頃のベトナムと似ていると考えられます)
今後、日本を目指すベトナム人労働者はさらに減少していく可能性があります。そのため、ベトナム人の採用を継続して行いたい企業や監理団体、関係機関においては、給与水準や労働環境・待遇制度の見直しが急務です。
市場の変化に柔軟に対応し、今後の人材確保に向けた具体的な対策を進めていくことが重要です。
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